特定の成分を含む日焼け止めの販売を禁止するなど、ハワイではサンゴ礁を守るための取り組みがこれまでもされてきました。しかし、気候が与える影響も大きく、サンゴ礁が絶滅の危機にさらされています。
温暖化とサンゴ生息の関係とは
「サンゴ(珊瑚)」と聞けば、誰もがすぐに思い浮かべることができる海底を彩る海の生物ですね。ハワイ大学の研究教授を含む、国際的な科学者グループの発表では、絶滅してしまう可能性が出てきています。
サンゴ礁が30~50年で絶滅する危機に
サンゴの白化現象を引き起こすものとして、日焼け止めに使用されている「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」が挙げられていますが、地球温暖化現象による海水温の上昇が白化現象増加の主な原因のひとつとして特定されました。
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1970年代のサンゴ被覆率は70~80%
サンゴの被覆率(海底をサンゴが覆う割合)は、研究者によりずっと監視されており、1970年代は70~80%だったそうです。しかし現在では5~10%しかなく、約40年で60%以上減ってしまったことになります。
素人考えで単純に計算すると、あと数年でなくなってしまうのではないかと思ってしまいますが、研究者によると最悪の場合、サンゴ礁は30~50年で絶滅すると考えられています。
ただ研究者も水温上昇、有害成分などによる海水汚染、観光船などによる波の影響など、サンゴのストレスとなるものが短い期間に増加すれば、サンゴは適応する時間がないため、白化現象は加速するという見解を持っています。
参考:ハワイ・ニュース・ナウ(HAWAII NEWS NOW)
サンゴを守るためにはどうすればよい?
サンゴの白化現象の影響が地球温暖化による海水温上昇であることが大きいとすると、地球温暖化現象を少しでも抑えることがサンゴを守ることにつながります。温暖化は自然現象の部分もありますが、産業の発展などによりその現象が加速したことで問題となっています。温暖化を少しでも緩やかにするための対策は個人でも取り組みが可能です。
- 節電を心がける
ポットやジャーの保温を控える、電化製品の主電源をこまめに切る、長時間使わない時はコンセントを抜くなど - 車の排気ガスの抑制
移動の際はバスや鉄道など公共交通機関や自転車の利用、自家用車使用時はアイドリングストップなどの「エコドライブ」を心がけるなど - 使い捨て製品の利用抑制
エコバック、マイボトルなどを活用し、ビニール袋などの使い捨てプラスチック製品の利用を極力控えるなど
小さなことかもしれませんが、ひとりひとりが心がければ大きな効果を生み出します。
ハワイだけの問題ではなく、日本でも同じことが言える、地球規模の問題なので、みんなで取り組んでいきましょう。
さいごに
ハワイは美しいビーチ、ビーチでのアクティビティなどでも私たちを楽しませてくれます。温暖化による海面上昇によるビーチの侵食や、サンゴ礁の絶滅など、そのビーチにいろいろな危機が訪れています。後世にもハワイを楽しんでもらう、ファンになってもらうためにも、各自ができることをしてハワイに、大きくは地球に恩返ししましょう。
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・サンゴを守るために特定の日焼け止めの販売を禁止